カスタマーハラスメント(以下、『カスハラ』と称する)とクレームについて

1. 定義

クレームとは
商品やサービスに関する不満や問題点を、改善を期待して伝える行為。
正当な要求や改善を求めるものであり、事業の品質向上や顧客満足度向上の機会となり得る。


カスハラとは
従業員や当社関係者への行為で、顧客からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の内容・態様が、事業活動にかかわるお客様対応として、建設的な意見や指摘も含んだ通常期待される範囲を超えたものがあり、当該対応に従事する労働者の就業環境が害されるもの。
特に従業員や当社関係者が女性の場合、性的な言動、容姿などへの言動と、プライベートな詮索、個人的に知り得た個人情報漏洩といった、SNSやインターネット上での誹謗中傷や個人情報の晒し行為は、カスハラとみなされます。
客観的状況のカスハラを行う顧客の属性としては、社会的地位を利用した威圧(行為者の組織における地位、専門知識、経験等)や行為が行われた場所の状況(対面、電話、メール、SNS等)にも対応します。
具体的には、土下座の要求、長時間にわたる居座りや暴言、暴力、虐め、容姿や性的な言動、SNSやインターネット上での誹謗中傷、個人情報の晒し行為などが含まれます。

2. グレーゾーン(クレームとカスハラの境界線)

クレームとカスハラについての境界線の見極め。
厚生労働省の定義にある「通常期待される範囲を超えたもの」に該当するかどうかをポイントとし、以下の要素から正当なクレームかどうか、顧客が従業員や当社関係者に対して行う行為を確認します。

要求の不当性
サービス内容と無関係な要求、過剰な金銭・物品の要求。
虚偽の事実を述べた上での不当な要求。

言動の過激さ
大声での威嚇、不要な人を巻き込み騒ぎ立てる行為、暴言など、対面、電話、メールの連投を含めた長時間の拘束、個人的な人格否定など虐めの行為、性的に攻撃する発言など。
特に従業員や当社関係者の女性に対して、学歴、職歴、専門性など、顧客が権威性を行使して侮辱する言動、批判、誹謗中傷、容姿や性別に関する不適切な発言が含まれるケース。

頻度と継続性
同一人物からの執拗なクレームや嫌がらせ行為の繰り返し。

目的外利用
顧客の私的な問題や感情のはけ口、個人的嫌がらせを目的とした言動。
当社従業員や関係者のプライベートな情報を探ろうとする、またはそれらを調べてインターネットやSNS上に漏洩し、営業活動の妨げをすること。

従業員や当社関係者への影響
精神的・肉体的に負担を感じるほどのストレスを与え、「就業環境が害される」状態に追いやる行為。

3. 法律に関わる内容

カスハラは、以下のような法的問題に発展する可能性があります。
従業員や当社関係者が被害者となる場合、身を守るために法的知識を持つことが重要と考えます。


法的側面の具体例と関連法規

民事責任
カスハラによって精神的苦痛を受けた場合、損害賠償請求が可能となる場合があります。
雇用主は、労働契約法第5条に基づき、従業員に対する安全配慮義務違反を問われる可能性があります。


刑事責任
カスハラの行為が悪質な場合、以下のような犯罪が成立する可能性があります。

暴行罪・傷害罪
身体的な攻撃があった場合。

脅迫罪
生命、身体、財産等に危害を加えることを告知した場合。  

強要罪
義務のない行為を強要した場合(例:土下座の強要)。

威力業務妨害罪
偽計や威力を用いて事業を妨害した場合(例:長時間大声を出し続けて業務を停止させるなど)。
偽計とは相手を騙したり、勘違いさせたりする行為のことです。
例えば、嘘の情報を流したり、実際には存在しない注文をしたりすることが該当し、業務を妨害をして他人の仕事や活動を邪魔したり、困難にさせたりする行為になります。 


名誉毀損罪・侮辱罪
事実を摘示して名誉を傷つけたり、公然と侮辱したりした場合。
特に従業員や当社関係者に対する性的な侮辱や名誉毀損、容姿への言及、個人的な虐めなど。
摘示とは、具体的な内容を挙げて示す場合がこれに該当します。    


当社としての対応

従業員を雇用している場合、労働契約法第5条に基づき、従業員が安全に働けるよう配慮する義務(安全配慮義務)があります。

当社関係者へのカスハラ対応方針

顧客への周知
  1. カスハラ行為に対する当社の姿勢を明確に開示します。
  2. ウェブサイト、店舗内掲示、契約時、書面などで明記し、周知します。
  3. 当社従業員や関係者のプライベートな情報を探ろうとする行為、またはそれらを調べたり、インターネットやSNS上に漏洩する行為、噂の流布、偏見の助長が発見された場合、及び繰り返される場合、然るべき対応をします。
  4. 特に性的な嫌がらせ、容姿に関する不快な言動、対面、非対面に関わらず、書面、メール、SNSやインターネット上を含め、侮辱、名誉毀損、誹謗中傷に当たる行為など、攻撃性のある言動を行う場合、及び繰り返される場合、然るべき対応をします。
  5. 私的な問題や感情のはけ口、個人への嫌がらせや虐めを目的とした言動が発見された場合、及び繰り返される場合、然るべき対応をします。従業員や当社関係者への行為で、顧客からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の内容・態様が、事業活動にかかわるお客様対応として、建設的な意見や指摘も含んだ通常期待される範囲を超えたものがあり、当該対応に従事する労働者の就業環境が害されるもの。


当社は、すべてのお客様に快適にご利用いただくために、以上のような行為はカスタマーハラスメントとみなし、厳重に対応いたします。
「当社は、カスハラ行為に対し、毅然とした態度で対応し、必要に応じて法的措置を講じます。」この文言をもって抑止力とします。

初期対応
  1. 「冷静かつ毅然とした態度」で行います。
  2. 「明確な意思表示」として、「お引き取り」願います。
  3. 「警察に通報する」「弁護士への相談をする」など行います。

途中経過
  1. 「冷静かつ毅然とした態度」で行います。
  2. 「明確な意思表示」として、「お引き取り」願います。

最終対応
  1. 「関係機関との連携」として、警察、弁護士、産業医、労働基準監督署、精神科医などと、具体的に相談します。
  2. 「法的措置」を検討する旨を明記し、カスハラ行為の抑止力とします。

カスハラ発生時の法に抵触する可能性や齟齬について

法的措置の実行
兵庫県神戸市管轄警察への被害届の通報、弁護士を通じた損害賠償請求、告訴などを行うため、当社は神戸市地方裁判所への訴えを検討します。

個人情報保護との兼ね合い
録音や記録を行い、個人情報保護法との関連で問題が生じないか、弁護士に確認します。

クレーム対応の拒否とサービス提供拒否
「社会通念上相当な範囲を逸脱した行為に対して、サービスの提供を拒否する」という方針をとります。



様々なケースの例まとめ

従業員への周知と教育
  1. クレームとカスハラ対応の「従業員(認定講師含む)教育の実施」は極めて重要なため研修を開催。
  2. 「従業員(認定講師含む)相談窓口の設置」設置。
  3. 匿名性やプライバシー保護について明記。